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Posted by ふじみき - 2008.03.21,Fri

※「バレンタインデーの作り方~またはがんばれ補佐官~」の補足のような話。


「ゾーシィ運輸産業局長,ご足労ありがとう」
「・・・んで?俺は何で夜中に呼び出されてんだロシウ?」
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Posted by ふじみき - 2008.03.10,Mon



5.同日,夜,科学局大廊下

Posted by ふじみき - 2008.03.10,Mon


4._______________
Posted by ふじみき - 2008.03.10,Mon


3.同時刻,グラパール整備室

Posted by ふじみき - 2008.03.10,Mon


2, 同日,夕刻,人民局戸籍作成室
Posted by ふじみき - 2008.03.10,Mon

※色々捏造注意報。コアチッチ村ってどこにあるのかな,から考えた話。
 2~3部間,脇役ばっかり。細切れなのは仕様です。




1. 科学局,中央システム管理室

Posted by ふじみき - 2008.02.20,Wed



「納得いかねえ!」

 結局誰かが(キッドだったと思う)怒鳴って,椅子を蹴り付けたまま会議はお開きになった。会議といっても大したことじゃない。閣僚人事というやつだ。

 テッペリンが陥落してから早や1年以上が経過していた。
 あれよあれよという間に英雄に祭り上げられた俺たちは,今度は地球にある無数の村や町を束ねる役目を負わされた。
 なんだか良く解らないうちに,新政府,というものが立ち上げられることが決まり,これからはそこに属する人間が,「民衆」にとって良い国を作るために働かなければならないんだそうだ。

「何でオレが文部局?とかいうのにつかなきゃならねえんだよ!」

Posted by ふじみき - 2008.02.20,Wed

 その夜,カミナシティ一の苦労人,ロシウ・アダイ補佐官は,ほぼ一ヶ月ぶりに専用宿舎へ帰宅した。

 広いシャワールームでゆったりと体を洗うことができたのも久しぶりだ。激務続きで疲れた体をリフレッシュするにはもってこいである。
 長い髪をくるくるとタオルでまとめ,部屋着に着替え,居心地の良いソファに座り。今日ばかりは,少し休ませてもらおう,と誰にでもなく宣言する。何しろ,ほぼ徹夜の日々を何日も繰り返していた体である。仕事のある内は,あまり負担に感じてはいなかったが,こうしてくつろげる空間に居ると,いかに自分が自分を酷使していたか,わかってしまう。体の節々,肩や首が悲鳴をあげている。

 柔らかいソファに埋もれる幸せ。一ヶ月頑張った自分に与えられる最高の贅沢だ。
 これに熱いお茶でも飲んで,読書でも楽しむか,と思いつつ,気が付けばぼんやりとテレビのニュースチャンネルを回していた。世間の動向をついチェックしてしまう,もはや仕事病だな,とロシウは苦笑する。
 補佐官という身分に与えられた部屋は広い。
 大きなソファセットを置いてなお空間の余りある居間は,どこか無機質ではあるが清潔で解放感がある。据え付けられたテレビもまた,最新式の大画面薄型。
 カミナシティ郊外の模様を映した画面で,にこやかにキャスターが話している。どうやら大きなニュースもないようだ。明日のカミナシティの天気は晴れ。カタツムリ枝に這い,世は全て事も無し。
 やれやれ,平和が一番だな,とすっかり年寄りのような気分で,ロシウは深くソファにかけ直す。

 やがて次の番組への橋渡し,5分余りのコマーシャルの時間に入る。頭を空っぽにして,見るとも無しに眺める,カラフルな商品広告。大きな画面いっぱいに,今清純派で売り出し中と小耳に挟んだ若いアイドルが映る。カメラはひかれ,学生服姿の彼女は手にハート形の物体を持って,何やらもじもじと,告白めいたことを口にしている。

 ・・・いったい何のCMだろう。
 
Posted by ふじみき - 2007.11.06,Tue

 

 思い出しました。夜はこんなにも静かだったんですね。

 

 

 

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 『むかしむかし、おおむかしの神様たちは、一人の女の人間を作りました。神様はその女に綺麗な箱を一つ渡し、「決して中を覗いてはいけない」と忠告して地上へ降ろしました。

女は地上で楽しく暮らしていましたが、もらった箱が気になってしかたがありません。ある日、どうしても我慢ができなくなって、箱を開けてしまいました・・・』

 

 

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 スプリングの柔らかいベッドに顔を預けて、私はじっと待っている。背中に感じるのは、温かい腕。その腕が柔らかくシーツに落ちるまで、規則正しい寝息が聞こえるまで、静かに目を閉じて。

 カミナシティの夜はまだ明るくて騒がしいけれど、この部屋は静穏。一人分の息づかいだけが流れている。そっと身体を起こしてみて、それでもあなたが目を覚まさない事を確認して、私はほうっと息をつく。

 アニキさんの像が建ったころ、シモンが私にくれた家。花の蕾を象った、この家であなたと過ごす夜はもう何度めでしょう。あなたが私の好みを聞いて、指示してくれたのだと聞きました。大好きなお家。特にこの寝室の内装はきれいな薄桃色で統一されていて、ここで眠りにつくたびに、とても幸福な気分になったの。あなたと眠りにつくたびに。

 起きあがって、ベッドの上で膝をかるく抱える。私の腰のあたりに、投げ出されたあなたの頭が見える。少し固い前髪をそうっとずらして、額まであらわにする。うっすらと口を開いて、子供みたいに安らいだ表情。宇宙へ行く前と少しも変わらない。あなたの寝顔を見ている、それだけで幸せな時間のはずなのに、私の口からこぼれるのは別の言葉。

 

 ・・・ごめんなさい、シモン。

 

 私が眠りにつくまで、いつも見守っていてくれたシモン。それがどんなに幸福な事だったか、初めて本当にわかりました。今日もずっと、いいえ、以前にも増して長くじっと、私が寝付くのを待っていてくれた。眠りの国に旅立つまであなたが見ていてくれる事が、今までどんなに私を安らげてくれたか。何の不安も持たずに夜へ漕ぎ出すこと。小鳥が親の胸に寄り添うような温もりが当たり前に側にあったのに。

 でも、もう、私に眠りは訪れない。


 反螺旋因子が覚醒し、メッセンジャーへと変貌を遂げたとき、私は人間としての機能を失った。眠ることも食べることもいらない。24時間、やすむことなく螺旋の星を監視し、与えられていたプログラムによって螺旋族に
------人間に、絶対的絶望を与えるために動き続けた。

 あの時、わかったの。何があっても、もう元の自分に戻れないこと。

 そうして帰還してからの数夜。同じ寝台にいながら、私はシモンを欺き続ける。あなたが眠そうになる頃合いを見て、眠るふりをする。優しい視線を背に受けながら、時にすい、と髪を撫でる指に泣き出しそうになりながら。

 薄い掛布の上から、自分の膝を抱きしめた。骨の感触、肉の弾力、にんげんとかわりのない、体。

 ね、前と一つも変わらない身体なのに、時々自分の境界線がぶれるのがわかるの。何の前触れもなく、自分と空間との境がなくなりそうになるの。空気の分子がひとつひとつ見える気がして、自分も同じ小さな粒の塊だと思った瞬間、身体が溶けていきそうになる、でも。そのたびに、あなたの顔が言葉がフラッシュバックして、私を整えてくれる。形を留めてくれる。

 あとどれくらい、それが保つでしょうか。わからないけれど。


 聞き取れないつぶやきを漏らして、傍らのシモンの頭が軽く動く。何を言っているのかしら。もぐもぐと口を動かしているから、何かを食べているのかも。頬を膝に預けながら、それを見守っていると自然に笑みが浮かんでしまう。

 眠れない身体は、その代わり時間をくれた。少しでも長く、あなたの姿を見ていられるように。夜、たったひとり私だけのそばにいるシモンを、飽かず眺められる時間を。これ以上の幸福を、私は望みはしません。あなたを欺く罪悪感を除けば、この身体に感謝してしまうほど。一秒でも長く、近く、あなたを見ていたい、触れていたい。

Posted by ふじみき - 2007.10.30,Tue




[主よ、永遠の安息を彼らに与え、]
[絶えざる光でお照らしください]
[正しい人は永遠に記憶され]
[悪い知らせにも恐れはしないでしょう]



 今なお荒野のままにあるその地に、赤く赤く、ひるがえる色が見える。その周囲を囲んで、7本の十字架の影。

数日前に一度だけ、ここはたくさんの人に囲まれている。星のために散った人たち。シティを粛々と進んだ長い長い国葬の列。

埋められたのは、超銀河ダイグレンに残っていた彼らの遺品。宇宙で最期を遂げた、その瞬間に身につけていたものは何一つ、地球に持ち帰ることはできなかったから。

宇宙艦に残されたのはごくごくわずかな身の回りの品のみだった。階級章、煙草の箱、上着、サングラス。それだけなら単なる日用品に過ぎないものたちが、一人分ずつ掘られた小さな穴に降ろされた。

だから天領地として当時のまま残された、この陵墓に在る骨は一人分だけ。夕陽よりも赤くはためくマント、それを結びつけられた刀の下。その骨の主を慕って集まった、彼らの------大グレン団の墓が、ここにある。

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