10.
「今日、みんなに集まってもらったのは、以前から上がっていた議題の件だ」
会議室の上座に座るのはシモン。その脇に、当然のようにロシウは立つ。艦長補佐という役割を果たすため。
主立った人々への根回しは済んでいる。リーロンに全てを頼んであった。あの後、シモンの私室から下がってその事を伝えに行くと、何もかもわかっていたというように、彼は二つ返事でその面倒な仕事を引き受けてくれた。古参の団員は大丈夫だと思うから、そう面倒でもないわよ、と言ってくれたけれど。
今日は補佐官としての披露目と、そして大きな初仕事。これからシモンは、大グレン団とそこに集まってきた人々全ての夢を引き受けるための第一歩を進める。
。
9.
手の平が熱い。人を殴ったことなど、一度もなかった。殴ろうとしたことは、一度だけあったけれども、結局実行はしなかった。あれは初めてシモンさんやカミナさんに会った時。まだ自分が、狭い狭い世界に生きていた頃。そして、これはあの時のような激情と違う。
殴られた本人は、呆然とこちらを見ている。
各部署の一日の報告を聞き、科学省、研究所、人民局を回ってひとくぎり。ロシウがやっと遅い昼食を取り終えて、総司令執務室に戻ったときには、日が傾き始めている。
扉を開けば西日が細く射し込む部屋に、まだ一心に手を動かし続ける総司令。だだっ広い執務室、明るく大きな窓を背に見えるその姿はひどく小さい。かつて共に戦った、あの頃より幼い気がした。一瞬。
額をおさえ、すぐにそんな幻想は振り払う。馬鹿な事を。僕たちはもう子供ではない。政府を擁し、世界を支える都市の長だ。要職者だ。
「シモン総司令、それは・・・?」
日がな一日、紙の山の減ったことのない、総司令のデスク。その堆き白い山の陰、見慣れぬ物体。
朝一番の申請書類の束を届けに、執務室に入ってきたロシウに早速見つかった。とても暑い日の始まりに。
8.
「何だぁ?坊主」
3人の中でも仕切っていたらしき、壮年の男がこちらに近づいてくる。体格だけは見事なそいつが体を折り曲げ、酒臭い息がまともにかかるところまで、無精ひげの、てらてら光る顔が寄せられてきて。ぐい、とにらみ返した俺を見て。
盛大に、笑った。
キングキタンとダヤッカイザーが出てくる夢から目覚めた今日です。おはようございます。
ダヤッカがキャラソンを歌う、そんな夢でした・・・・中村大樹さんが歌うとトラウマが発動する私に何の拷問だったんだ、この夢は。このトラウマがわかる人とはこっそり握手しましょう。
さて感想は続きからだ!!!!
・・・確かにその日、俺は浮かれていたのだ。
シモンの穴蔵を訪れる少し前。俺はまた酒盛りに呼ばれて、のこのこ家から出てきていた。
酒盛りは楽しい。酒が好き、というより、あの雰囲気が好きだ。辛気くせえ顔して働いてた奴ら、年寄りも男も女も、急に元気になる。陽気になる。明日っからのことはひとまず忘れて、今を楽しんでる。そんなところに身を置くのが好きなんだ。もちろん、タダ飯という大事な要素を忘れちゃいけねえ。
※注 子供というほどじゃないのですが、カミナ14歳、シモン11歳くらいの設定です。
「シモーン!キスって知ってるか?」
「へ?き、す?」
消灯になる前に穴蔵に走り込んできて、言われた、突然。
闖入者は『教えたくて仕方ない!』という顔で、うんうん、とうなずく。
期間限定グレンラガンのカミシモ(シモン総受が信条)テキスト垂れ流しブログです。
鉄は熱い内に打て!
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